タッパーウェアが1兆4千もの巨額の債務を抱えて破産申請したというニュースに驚いた。
プラスチック製保存容器をタッパーと呼ぶ人は60歳以上だろうか。タッパーはタッパーウェアブランズ(米国)の登録商標であることを知らずに、他社製品もタッパーと呼んではばからない人は多い。個人ならまだしも、数十年前、生協の共同購入カタログで、勝手に「タッパー」と使ってしまい、同社日本法人から警告を受けたという事件が身近にあったのを思い出した。
そのタッパー、60年も前に日本上陸したというから、同じ連鎖販売取引のアムウェイより10年以上前に日本市場に目を付けたわけだ。独自のホームパーティ方式の連鎖販売取引(マルチ商法)で、瞬く間に国内に地歩を固め、保存容器の代名詞となるまで成長した。ところが近年は、コロナ禍によるホームパーティ売り上げダウン、格安な量産品に押され、販売員の高齢化と減少もあって売上が低迷、破産に至った。日本法人は今のおころ表向きは何のコメントも出していないしていないけれど、継続は難しいのではないか。密封性に優れたタッパーといえども、中身はいつまでももつものではないということか。(上間)